犬を見よとゴダールはいう。
同時に、犬など見てはならぬともいっている。どうすればよいのか?
その矛盾は、映画を見ることで、小気味よく解決される。
                 蓮實重彦(映画評論家)
ゴダールの新作『さらば、愛の言葉よ』を三度見る。
3Dを使い、これほど実験的
かつ誰もやったことのないことに挑戦している84歳。
老いてますます前衛的。
何という人だろう。
JOURNALSAKAMOTO+より抜粋
                 坂本龍一(音楽家)
予想通り、そして予想を遥かに上回る老境ゴダールの自己更新。
世界初の3D非娯楽映画
                 菊地成孔(音楽家/文筆家)
この世界は、ただの紐の輪のようなもの。
次元を行き来するあやとり。
指を通せば形を変え、言葉のあやをうむ。
そして君と僕をつなぐ。
さあ、次は君の番。
あやをとってほどくも、指を通してこんがらがるも、お好きにどうぞ。
                 やくしまるえつこ(音楽家)
この映画を見ることは、言葉について考えることでした。
言葉と遊ぶこと、言葉を捨てること、言葉を抱きしめることでした。
「さらば、言葉よ」とにこやかに手を振って、映画は自由でした。
映画を見終えて、私も自由でした。
まるで野に放たれた一匹の犬みたいに。
                 大崎清夏(詩人)
ゴダールが死んだら(彼が映画を撮るのをやめる訳がない)確実に映画は変わると思う。
実際は「終わる」んじゃないかと思ったりもするが、そんな言葉は使いたくない。
だが、映画表現を革新する人が減ってしまうことは間違いない。
こんな映画監督、100年単位でないと現れないと思う。
                 松江哲明(ドキュメンタリー監督)
80歳を越えてこんなに美しい作品を創造できる人は
ピカソとゴダールだけですね。
すばらしいフィルムです。
                 四方田犬彦(比較文学者・映画史家)
冒頭、ADIEUの赤文字が飛び出してきた瞬間に、傑作を確信した。
3D技術の開発者は、こんな使用をかけらも想定していなかったに違いない。
たった一人で、全てのハリウッド3D映画に立ち向かう男、
ジャン=リュック・ゴダール。
                 佐々木敦(批評家、早稲田大学教授)
スマホとグーグルと3Dの時代のゴダール。
一昨年の「ゼロ・グラビティ」と今年のコレの両極で、
映画史における21世紀実写3D映画の役割は終えたと思うので、
もうこの先、実写3D映画は作らなくていいですよ。
                 宇野維正(映画ジャーナリスト)
全く枯れるということがないオヤジの物騒さに殺気だつ。
アンディ・ウォホールの3D映画とこれはもう、始末が悪すぎる。
ゴダールの新世紀は、もはや難解という言葉も似合わないフルスロットルなのだ。
                 サエキけんぞう(ミュージシャン)
未曾有未曾有未曾有未曾有!!!!途中から震え止まらぬ。
人外への到達、別-世界への到達、犬への到達。手震える!
                 平倉 圭(横浜国立大学准教授/『ゴダール的方法』著者)
1000の作品を観てもとらえきれない映画の真実を、ゴダールは呆気なく差し出す。
たとえば『さらば、愛の言葉よ』が示すのは、平面と立体の間にある真実だ。
それにより、単一化としての歴史から映画は解放される。
                 阿部和重(作家)
※順不同、敬称略
映画に人生を捧げ、映画史を大きく変えてしまった男による、非常に美しい映画。この映画を深く心に浸みるものにしているのは、その大いなる寛容だ。 これは、ゴダールの遺言である。
                 ル・モンド
これはただの映画の上映ではない。汗まみれのロック・コンサートの興奮、我々を魅了し続ける詩人を初めて読むときの神秘を与えてくれる、刺激的な儀式だ。
映画の電子化。究極の嘲弄。3D時代最初のホーム・ムーヴィーであるが、完全に芸術家の手になるもので、3Dを使っただけのことはあり、2Dで見ると多くを失う。
3Dがゴダールの映画によみがえらせたもの、それはゴダールの人を驚愕させる才能だ。しかし見る者は驚きと同時に、バラバラに解け去ってゆく世界を前にした不安をもかきたてられずにはいられない。
                 カイエ・デュ・シネマ
常に閃光を放つ孤高の芸術家が3Dで試みた、詩的=哲学的エッセー。
                 テレラマ
目のくらむようなテクノロジーの離れ業。
見事で、時に崇高ささえ感じさせる出来。
                 リベラシオン
3Dイメージの名人芸。
「想像力を欠く者はリアリティに逃げ込む」とゴダールは言う。彼自身の想像力は完全無欠だ。
                 ウエスト・フランス
世界の現状、イメージの可能性についての刺激的で遊び心に満ちた瞑想。
脳に直接撃ち込まれたアドレナリンのようなAdieu au langageはこの半世紀間、ゴダール以上に映像の可能性を試し、示し続けてきた映画作家はいないことを、またしても確認させてくれる。
                 ヴァラエティ
ゴダールは、3Dによる奇抜な新作Adieu au langageでカンヌを震撼させた。ついにコンペ部門は、週を挙げて待ち望んでいた何かを得たのだ。リュミエール・シアターにぎっしり詰まった2300人の観衆に宙を舞う思いをさせたスリリングな映画体験。ただの上映会は本物のハプニングとなったのだ。

幾重にも層をなした映画は、視覚的な美の衝撃、ヒューモアの爆発、高まる歌によって、心地よい愉しみを惜しげもなく与えてくれる。
                 ニューヨーク・タイムズ
Adieu au langageはイメージと、イメージからズレた音声により、全身全霊を挙げて私たちの感覚を操作する。
                 スクリーン・デイリー
終わることのない実験。ゴダール映画の中でも最も私的な作品。
                 ソー・フィルム
これは映画ではない。言語だ。ゴダールのワルツだ。
                 フィッシュ・デュ・シネマ
ゴダールは一つの言語を発明した。彼独自の、似たものの無い、前代未聞の映画言語を。
                 ポリティス
気をつけろ、これは奇跡だ! 
                 スレート
天才の凝縮。
                 レットル・デゥ・ローディオヴィデュエル
ゴダールは3Dを、リアリズムを推し進めるためでなく、自分たちが見ているものを疑問に付すために使っている。それだけにこの作品は、見る者を驚かせ魅了する、煮えたぎるマグマそのものなのだ。 
                 ラ・ヴィ
この異様な映画、分類しようのない「映画的オブジェ」には、人の心を打つメランコリーがある。感覚の経験に基づく映画。
                 シュッド・ウェスト
Adieu au langageは、その革新の全てを短い上映時間内に詰め込んでいる。とりわけ3Dの革新的な使用は、テクノロジーによって悪化させられてきた思考とイメージの間の不和にスポットライトを当てるものだ。 
                 インディ・ワイアー
ぎっしりと中身の詰まった、情熱的な、3Dによる天才的作品。
                 ル・プログレ
ゴダールは、彼特有の創意と想像力を駆使して、3Dとデジタル・カメラの実験を行った。
                 ラ・デペッシュ・デュ・ミディ
ゴダールは、映画史上最も衝撃的な3Dをひっさげて帰ってきた。
                 アイリッシュ・タイムズ